HOME ■ 西山愛の『この人に会いたい』 vol.10 紅茶伝道師 内野ひとみさん  前のページへ戻る

■ 西山愛の『この人に会いたい』


vol.10 紅茶伝道師 内野ひとみさん

西山愛の『この人に会いたい』vol.10

内野 ひとみ(ウチノ ヒトミ) 紅茶専門店 フランチェスカ 

紅茶のおいしさと楽しさを伝えたい・・・ そんな思いで「紅茶伝道師」として、紅茶を丁寧に淹れています。

西山愛です。こんにちは。

暑い最中、「何か涼しげな記事をお届けしたいなぁ」と思っていた矢先のこと。思わず手を伸ばしたくなるアイスティーの写真と出会い、取材を申し込みました。もちろんそれだけではなく、日々更新されているブログを拝見しているうちに、もっとお話をうかがってみたいと思ったからです。

「コーヒーと紅茶、どっちにする?」 と聞かれたら紅茶。でも、紅茶が好きというより、コーヒーよりは紅茶という選択。そんな私の紅茶に対する見方が、この方にお会いしてガラッと変わってしまったことを、最初にお伝えしておきます。

紅茶伝道師として紅茶の奥深さと楽しさを伝える活動をされている、紅茶専門店「フランチェスカ」オーナー、内野ひとみさんです。

(おいしい紅茶を淹れていただきました)

コーヒーと紅茶を、何かと比較の対象にしてしまうのは私だけでしょうか。
コーヒー専門店はいっぱいみかけるけれど、それと比べると紅茶専門店は少ないように感じます。
内野さんが紅茶に惹かれたのはどんなきっかけだったのでしょうか?


「もともとお菓子を作るのが好きで。飲み物はコーヒーか紅茶か、どっちでもよかったんです。
ケーキ作ったら家に友達をよんでお茶会なんかもしてました。その時『カフェとかしたらいいのに』って何人かに言われたのがきっかけで……」


驚きました。お菓子が入口だったとは! そしてどっちでもよかったって(笑) 

(内野さんお手製のスコーン。ぷっくぷくです)
 

「コーヒーに詳しい人はいっぱいいるし、じゃぁ私は紅茶にしようって。人が知らないことを知りたいっていうところもあるんですよね」


「お金をいただくなら「さすがにおいしいね」って言われるものをお出ししたい」そんな想いから、お店を開くことを決めてから紅茶コーディネーターの資格取得。さらに紅茶研究の第一人者‐磯淵猛氏に師事。神奈川まで月1回、1年通って学ぶ中で、どんどん紅茶の広く奥深い世界に魅せられていったといいます。


紅茶は食事の中ではサイドですけど、影の主役として捉えています。もっとこの魅力を伝えたいなって。でも、お店にお茶を飲みにきても、紅茶について『知りたい』という方は少なくて。それで、2カ月に一回の紅茶教室を始めて5年くらい続けていました」(2020年現在はご要望に応じて開催)


亡き磯淵氏の志を継ぐべく、目指すは“ポスト磯淵”。今、紅茶史について学びを深めることに注力されているそうです。
紅茶=イギリスというイメージを持つ人も多いけれど(私もです)、そうではないのですよね。そこには、アジアからヨーロッパへ、世界をまたにかけた壮大なストーリーがあります。

内野さんから少しお話を聴いただけで、紅茶を見る目が変わってきます。紅茶愛がとっても伝わってきて、「どんな味がするんだろう?」「何が違うんだろう?」どんどん興味がわいてきます。そんな私の念が伝わったのでしょうか……飲み比べの紅茶を淹れてくださいました。
 

 
(左:春摘のダージリン 右:夏摘みのダージリン) 

(秋摘みのダージリンはアイスで)
 

私に味の違いがわかるだろうか? それは無用の心配でした。

一目瞭然もとい、一嗅ぎ・一口瞭然。
同じダージリンでもこんなに違うのですか?!
それも摘む時期の違いだけじゃない。
ダージリンってこんな味だったっけ?

そしてふと気づくのです。
「私はここまで意識的に、紅茶を味わおうとしたことがあっただろうか?」


「ヒマラヤの霧と風と日光、季節ごとに全然違ったお茶ができます。同じ品種、同じ茶園でとれたものでも、全然味が違ってくるんですね。賞味期限はだいたい2~3年ありますけど、1年でまた味は落ちます」

「紅茶苦手とか、飲んだことないとかいう方がほんとに多くて。もっとおいしんだけどなぁ~っていつも思います。ちょっとのひと手間、ちょっとの心のゆとりで、こんなにおいしくなるのにって。
『おいしさをとにかく言葉にしなさい』って磯淵先生もよく言ってました。なかなか難しいんですけど(笑)、言葉にすることも課題ですね」
 

内野さんにはゆとりがある。もちろん、今年に入ってからのコロナや台風の影響がある中で、ゆったりしていられることばかりでないことは想像がつくけれど、そんなときにも活きる〈ゆとりを生み出す術〉。
 

(出来上がりを“待つ”という時間の豊かさ)
 

ゆとりがあるから紅茶を味わえるのではなく、紅茶を淹れるという行為がゆとりを生み出す。
そして体にも良いときている。


味の濃いものを食べた後に紅茶を飲むと、口の中がスッキリしますよ


そんな感覚を確かめることさえ、めまぐるしい日常の中に埋もれてはいないだろうか?
紅茶のおいしさや魅力を垣間見ただけでなく、何か大切なことに気づかせていただけた時間でした。

忙しいときほどゆとりを生み出す時間を。
食後に、ちょっとのひと休みに、おいしい紅茶はいかがでしょうか?

福岡県中間市にある紅茶専門店フランチェスカは、現在、水・木・金のみ営業。
お店ではこんなスイーツもいただけますよ。



(紅茶がよく合いそうです)
 

茶葉の販売もされています。店頭受け渡し、または郵送で対応しているとのことです。
丁寧に入れられた一杯の紅茶は、飲む人の心身共にゆるめてくれることでしょう。

紅茶の淹れ方等の発信もされています。
内野さんの活動内容、お問合せ先については、コチラをご覧ください。
 
◆ブログ
https://ameblo.jp/love-love-volvo/
◆FBページ
https://www.facebook.com/francesca.fukuoka/
◆Instagram (@francescatmaster)
https://www.instagram.com/francescatmaster/
 
 
以上、紅茶のおいしさを表現するのに「栗……みたいな」なんて言葉しか出てこなかった、西山愛がお届けしました。(私も勉強が必要です)
最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^)

 

 

profile
内野 ひとみさん
紅茶伝道師
紅茶のスペシャリストになるために、紅茶研究家 磯淵猛氏に師事。自店での紅茶教室を通して、紅茶の世界の幅広さと奥深さを発信中。単なる飲食業ではなく、文化としての紅茶を探求しています。
九州ウーマンPROページ
reporter
西山 愛さん
フリーライター
オモイツヅリ

想いの言語化をお手伝いします
「書くとなるとうまくまとめきれない」
「伝わっているのか自信がない」
「自分のこととなるとよくわからない」
「書きたいけれど時間がない」

そういう方へ向けて、文章でバックアップさせていただきます。


九州ウーマンPROページ

2020年9月